お知らせ

日経新聞に掲載されました

2007年10月10日付の夕刊に弊社社長 重里豊彦が紹介されました

泉州発 安全なタオル

日経新聞夕刊日本有数のタオル産地、大阪・泉州地域。最近は安価な輸入品に押され生産量は減少するばかりだ。地域を挙げて環境や安全に配慮したタオル作りで、産地としての生き残りを懸けているのが、ツバメタオルの重里豊彦社長(50)。環境に優しいタオル製造の有志の会も結成、製造工程から化学薬品の使用を減らした自社のノウハウを地域のライバル企業にも惜しみなく提供し、新たな「泉州タオル」ブランド確立に取り組む。

「自分のタオルがアトピーの原因かもしれない」。重里社長が安全なタオル作りに取り組み始めたのは1992年ごろ。アトピー性皮膚炎を抱えた長男がしゃぶるタオルが白く脱色しているのを見てショックを受けた。
通常、タオル生産には多くの化学薬品を使う。漂白剤や染料のほか、原料の綿糸には石油系の化学のりを染み込ませ強度を出す。脱脂工程では触れれば皮膚がただれる強アルカリのカセイソーダを使う。「何度も洗い薬剤を中和しているので危険と言い切ることはできません。しかし安全とも言い切れないんです」
一念発起し、昔の製法なども参考に化学薬品の代わりになる食品成分を調べ、98年から徐々に製法を変えた。化学のりの代わりにジャガイモのデンプンから抽出した天然のりを欧州から取り寄せた。染料に紅茶などを使う製法に切り替えたのが2000年。02年にはカセイソーダを天然の酵素に置き換え、「安全なタオル」完成に近づけた。
思わぬところで、人体に安全なタオルが環境負荷の低減に通じることにも気付いた。化学薬品の洗浄工程が省けるようになり、エネルギー使用量を三割、水使用量を五割削減できるようになった。

地域の生産者団体、大阪タオル工業組合の理事長でもある重里社長は輸入品との競争に疲弊する産地を助けたい思いが人一倍強い。加えて「安全なタオルを製造しようとする参加者が広がるほど、環境へのプラス効果も大きくなる」。03年、組合員に呼びかけて「大阪グリーンタオル生産倶楽部」を結成し、各社に安全なタオル作りのノウハウの公開を始めた。現在の参加企業は約60社、メンバーの生産量は泉州地域全体の半分以上を占める。

今年1月、化学薬品を全く使用しないタオル生産に成功した。健康食品に使われる天然素材、大豆イソフラボンを柔軟剤代わりに使う。化学薬品の使用削減を始めて15年、文字通り「食べても安全」なタオルが完成した。
消費者向けには、環境や安全に配慮した産地として認識され始めている。次に狙うのは、国内タオル市場の約二割を占める企業の贈答品市場。「タオルを大量に注文するのは金融機関やエネルギー関係など公共性ある企業ばかり。そうした企業にこそ、こだわりの泉州タオルを使ってほしい」と意欲を見せている。

(大阪経済部 牛込俊介)